「猿の惑星:キングダム」―300年後の新たな章が投げかける、猿と人間の未来www.youtube.com
感想
特に印象に残ったシーンは、メイがダムの壁を破壊するシーン。人類の遺産をプロキシマスに渡すまいとするメイと一族が海に飲み込まれるのを防ごうとするノア。どっちに転んでもだれかが死ぬことになる状況で、結局最後は「自分たち」にとっての最善の選択をしてしまう。結局自分たちが可愛いく見えるのが人間なんだよなあと思いました。シーザーの目指してた共存とはすでにかけ離れていきさらに対立が深まっていくのがさびしい、、、
300年後の未来という設定は魅力的で、シーザーの神話性が語り継がれる新しい猿社会の描写にはわくわくしましたね~。ただ、ストーリー全体のテンポ感やキャラクターの深掘りが物足りなく感じました。
新しい主人公ノアは若きシーザーと重ねてしまい好感が持てます。イーグル族やラカのような新たな設定が盛り込まれていたのも良かったです。
プロキシマス・シーザーは暴君などというより自分の理想を実現しようとする独裁者のような者で敵キャラとしての存在感が薄いようには感じました。
レビュー
良かった点
- VFXの進化
猿たちのリアルな表情や動き、広大な自然描写は依然として素晴らく、イーグル族の鷹匠的な文化や猿たちのさまざまな部族描写は魅力的です。 - シーザーの遺産を描く世界観
伝説として語り継がれるシーザーや、彼の教えを現代に生かそうとするエイプたちの描写がシーザーの偉大さを伝えてくれてます。
気になる点
- キャラクターの魅力がイマイチ
新しい主人公たちのバックストーリーが薄く、特にメイのキャラクター設定が曖昧だった気がします。ノアやラカは魅力的ですが、観客に感情移入させる描写が不足しています。 - テンポの悪さとストーリーの浅さ
映画全体が2時間半と長いにもかかわらず、ストーリーが間延びして感じられる部分がありました。特に、プロキシマス・シーザーとの対決が割とあっけなく決着が着いてしまって残念です。
考察
『猿の惑星:キングダム』は、これまでのシリーズのテーマである「猿と人間の共存」をさらに深掘りしようとしているように感じました。猿同士の争いを描くことで、人間と猿の対立の裏にある権力闘争の本質を浮き彫りにしています。
しかし、単体の映画としては完結感が薄く、次章への序章としての側面が強いです。特に、メイが持ち帰った「解読キー」や、彼女が目指す人間の未来についての詳細が描かれず、疑問が残ったままです。次回作でこの要素がどう展開されていくのか気になるところです。
また、シーザーの教え「猿は猿を殺さない」が、猿同士の争いによって覆される描写は印象的でした。これは現実世界の宗教やイデオロギーが曲解される構図に通じており、深いテーマ性を感じました。
まとめ
『猿の惑星:キングダム』は、猿社会の未来と人間社会のその後を描いている映画、猿の惑星です。ただし、単体の映画としてはストーリーやキャラクターの魅力に物足りなさを感じる部分もありました。それでも、このシリーズが投げかける「共存」のテーマは考えさせられるものがあり、次作に期待を込めたいと思います。
5つ星評価
★★★☆☆(3/5)
シリーズファンなら楽しめる内容ですが、初見の観客にはややハードルが高いかもしれません。次作でのさらなる進化に期待!
この映画のおすすめポイント
圧巻のVFX:猿たちの表情や風景描写のクオリティが依然として高い。
イーグル族の文化:新たな猿社会の分岐や一族の文化が多様化している
シーザーの神話性:伝説として語られるシーザーの存在感が物語に影響を及ぼしている
次回作への布石:次回作への伏線が数多く散りばめられている
テーマ性:支配と共存、争いの本質を考えさせられる